インタビュー

茨城工場 製造部  1994年入社/茨城工場 製造部医療品課長
インタビュー02

茨城工場 製造部 1994年入社/茨城工場 製造部医療品課長

国内3ヶ所の各工場は、会社の年間生産計画、高品質の製品を、低コストで生産することが最大の目標です。そうした目標の下で、工場の各部署の業務は、購入した原料と生産設備を管理しながら、機械を正常に稼動させ、適正な量の原料を投入し、手順書どおりに作業を行い、仕様書どおりに生産することにあります。

そこでは、工場長を頂点として、役職に応じてそれぞれが任務を遂行し、時には協力し合い、時には厳しく意見をぶつけ合いながら生産活動を行なっています。

オカモトの屋台骨を支える充実感

私が課長を務めている医療品課は、コンドームをつくる現場です。コンドームは、いわばオカモトの屋台骨。オカモトの信頼の源であり、これまでのオカモトの成長を牽引してきたまさに中核です。その部署の責任者を任されていることには大きなプレッシャーもありますが、充実感もあります。

特に2015年4月に発売を開始した「オカモトゼロワン」は私ども医療品課のスタッフ全員が自信をもって送り出した新製品です。お客様にご好評頂いていることは、とても大きな誇りですし、心からホッとしています。ラインナップが増えたことでとても忙しい日々ですが、充実した毎日です。

機械の管理から組織の管理へ

私は2005年にコンドームの現場を任されることになりましたが、それまでは施設課に所属し、新しい機械の設置作業やメンテナンス、ボイラーや焼却施設などの管理を行っていましたので、もっぱら機械と向き合う日々でした。

しかし、モノづくりの現場は機械だけで動くものではありません。天然素材の原材料があり、機械を動かす人がいて、それらを適切に配置し、組織として動かす必要があります。施設課での業務を通じて医療品課のスタッフとは交流がありましたが、全員を一つに束ねて組織していくことは、機械の管理とは大きく異なり、最初はとても苦労しました。

また施設課として医療品課の設備についても熟知していましたが、いざ異動してみると、日々の管理と、効率よく生産することの難しさを味わいました。異動したときは「ゼロゼロスリー」の発売開始直後で、その画期的な商品を効率よく生産するにはまだまだ技術を磨く必要がありましたし、その後も「ゼロツー」「ゼロワン」とラインナップが増える度にいろいろな課題に直面しました。

工場をあげて薄さの限界に挑戦

「ゼロワン」は、開発段階から携わり、試作の段階ですら触った感触で「これは売れる製品だ!」と確信しましたが、これほど薄いコンドームの開発は初めてだったので、量産化までの道のりは決して平坦ではありませんでした。試作の段階から大変な苦労がありましたし、試作から量産に進める段階では何をやってもうまくいかないこともありました。

また、量産を開始した後も、0.01mmという薄さで高品質を保ち続けることは、決して楽ではありません。工場長からは「コンドームで信用を失ったら、うちは終わりだ」と何度も釘を刺されており、今でも大きな緊張感があります。絶対に不良品を出荷してはいけないという一心で、生産技術や品質管理法の確立に向けて、日夜汗を流しました。

それでも、工場には私が所属していた施設課のほか、研究開発や品質管理を担う様々な部署のスタッフがいて、それぞれの立場から相談に乗ってくれて、知恵を出し合いながら課題の解決に取り組んできました。また、日々の生産では現場のスタッフみんなが力を合わせて頑張ってくれています。こうした人材に恵まれたことは、現場の責任者として本当に有り難いことだと感じています。

目標を設定することが自らの達成感につながる

モノをつくる現場は一日として同じ日はありませんが、誤解を恐れずにいえば、工場での仕事はある意味、「単純作業」の繰り返しです。毎日、同じ場所に出勤し、同じメンバーに囲まれ、同じ作業をこなすことが基本です。なので、時には自分のモチベーションを維持できないこともあります。しかし、それでもこれまで多くの苦労を乗り越えて頑張ってこられたのは、様々な目標を自分なりに設定し、それを実現して達成感を味わってきたからだと思います。

若い頃は、「もっと仕事を頑張って、あの車に乗りたい」とか「来年にはあのカメラを買いたい」というような、小さな目標を設定していました。こうした小さな目標を一つずつ達成していくことは大切だと思います。

管理職として目指すもの

年を重ねて仕事を続けていくうちに、目標の質も変化してきました。最近では、「災害事故をゼロにする」ことを目標にしています。災害事故は本当に辛く、悲しい出来事であると同時に、生産現場の管理職として責任を感じます。丁寧に指導していれば防げたのに…ということのないよう、部下を導くことが自分の目標となっています。

また、「月曜日の朝に出勤するのが愉しみだと感じられる職場づくり」を目指しています。仕事は主体的にやるべきものです。スタッフ全員が「ああしてみたい」「こうしてみよう」と意欲的に働けるような職場にしていきたいと考えています。

未来のオカモト社員に向けたメッセージ

オカモトのビジネスは、まだまだ伸びる余地があると思っています。自分たちで工場を管理し、独自の技術を育み、様々な製品を開発する力がありますし、特にコンドームをつくる技術や品質は、世界でも胸を張れるレベルだと思っています。これをもっと世界にアピールできれば、まだまだ伸びると思います。

そうした将来を担う部署の担当者として、これからも積極的に新商品開発に取り組み、その安定した生産、生産数量の拡大に貪欲に挑んでいきたいですし、そうした積極性、行動力をもった方々と一緒に働きたいと願っています。